【科研費基盤B】方位角磁場に支えられたブラックホール降着流における
スペクトル・偏光時間変動の解明

概要


研究代表:松 元 亮 治  [千葉大学大学院理学研究院・名誉教授]


近年、相対論的ジェットの形成に関連して、ブラックホール近傍に集められた回転軸方向の磁場によって支えられた降着円盤モデル(Magnetically Arrested Disk: MAD)が注目されている。 他方、降着率が増加すると輻射冷却が加熱を凌駕して降着流が鉛直方向に収縮し、磁束保存により方位角磁場が強まり、磁気圧優勢な降着円盤が形成される。方位角磁場によって支えられたブラックホール降着流(Toroidal MAD)は 恒星質量ブラックホール候補天体で観測される明るいハードステート、活動銀河中心核における軟X線放射を説明できる。
本研究では、「富岳」等の高速計算機を用いて、ToroidalMAD の大局的な3次元輻射磁気流体シミュレーションを実施し、磁気エネルギーの蓄積と解放過程を解明する。これらの計算結果から求めた輻射スペクトルや偏光度をX線分光撮像衛星XRISM、X線偏光観測衛星IXPEによる観測と比較し、増光時のブラックホール降着流・噴出流のモデルを確立する。


♦ mhddisk2024 HP:
http://www.astro.phys.s.chiba-u.ac.jp/mhddisk2024/


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