はじめに

磁気流体シミュレーションは、荷電粒子多体系をマクロに記述する磁気流体 (Magneto-Hydro Dynamic, MHD) 方程式に基づいた流体的計算手法で、プラズマの巨視的現象を取り扱うのに適しています。

CANS+ は、 CANS ( C oordinated A stronomical N umeical S oftware 開発元HP ) から発展した、高次精度MHDコードの統合ソフトウェアです。 CANS+ の特徴として、

  • HLLD(HLL)近似リーマン解法を用いた有限体積法( Miyoshi & Kusano, 2005

  • MP5法を用いた高次補間(5次精度)( Suresh & Huynh, 1997

  • 9 wave法を用いたdivBクリーニング( Dedner et al., 2002

  • カーテシアン/円筒座標系

  • 非一様メッシュサイズ

  • MPIによる3次元領域分割化

  • IDLによるデータ読み込み・解析ルーチンの整備

  • 物理課題の初期設定の用意

が挙げられます。構成はオリジナルのCANSに倣って、共通エンジン部分と物理課題に分けて、ライブラリをリンクする形で、共通エンジンを各課題から利用します。

CANS+ 開発者サイト

下記より開発状況がご覧になれます。

CANS+ ドキュメント電子図書

本ドキュメントの電子図書形式は

http://www.astro.phys.s.chiba-u.ac.jp/cans/doc/CANS+.epub

よりダウンロードできます。iPad等でご利用ください。

問い合わせ

質問、バグレポート、機能要求など、下記よりお問い合わせください。

開発メンバー(開発当時)

  • 松本洋介(千葉大学理学研究科) - 統括、計算コア、並列化、最適化、KH不安定

  • 小川崇之 (千葉大学理学研究科) - 計算コア、並列化

  • 朝比奈雄太 (千葉大学理学研究科) - 計算コア、並列化、最適化、MHDジェット

  • 工藤祐己 (千葉大学理学研究科) - パーカー不安定

  • 川島朋尚 (国立天文台CfCA) - 降着円盤

  • 銭谷誠司 (国立天文台理論部) - 磁気リコネクション

  • 大村匠 (宇宙線研究所) - 特殊相対論化、最適化

  • 三好隆博 (広島大学理学研究科) - アルゴリズム開発、アドバイザー

  • 簑島敬 (海洋研究開発機構IFREE) - アルゴリズム開発、アドバイザー

  • 松元亮治(千葉大学理学研究科) - アドバイザー

著作権

CANS+ はGNU GPLに基づくオープンソースソフトウェアです。 CANS+ に含まれるGPLで保護されたソースコードは、 自由に改変、頒布することが可能です。 ただし、改変したソフトを第三者に配布等する場合は、 GNU GPLであることが求められます。 GNU GPLについては、 http://www.opensource.jp/gpl/gpl.ja.html.euc-jp をご覧下さい。

CANS+ を利用して論文発表を行う際には、下記の論文の引用をお願いします。

Matsumoto et al. (2019), "Magnetohydrodynamic Simulation Code CANS+: Assessments and Applications", Publ. Astron. Soc. Japan, doi:10.1093/pasj/psz064

免責事項

CANS+ は動作検証の上、公開していますが、利用者の責任の上で使用して下さい。 CANS+ を利用した事によるいかなる損害も我々(CANS+開発チーム)は一切の責任を負いません。

謝辞

CANS+HPCI戦略プログラム分野5「物質と宇宙の起源と構造」 によってサポートされています。