研究代表:松 元 亮 治 [千葉大学大学院理学研究科・教授]
近年、活動銀河中心核(Active Galactic Nuclei: AGN)のうち、広輝線が観測される1型と観測されない2型の間を遷移するChanging Look AGNが詳細に観測され、状態遷移中に軟X線超過領域が出現・消失すること、1-100日の激しい時間変動を示すこと等が明らかになってきた。しかし、この遷移中には輻射冷却によって降着円盤が幾何学的に薄くなるため、これまで十分な解像度の数値計算を行うことができていなかった。
本研究では状態遷移が発生するエディントン降着率の 0.1-10%の場合の巨大ブラックホール降着流の大局的3次元輻射磁気流体シミュレーションを「富岳」等の高速計算機を用いて高解像度で実施する。この計算結果から求めた輻射スペクトル等を2021年打上予定のX線分光撮像衛星XRISM等による観測と比較し、時間変動を鍵として銀河中心核1-100AU領域の降着流の統一モデルを確立する。
♦ agndisk2020 HP:
http://www.astro.phys.s.chiba-u.ac.jp/agndisk2020/