宇宙物理学研究室の学部生教育・卒業研究
宇宙物理学研究室は、千葉大学理学部物理学科に所属しています。
宇宙物理学研究室の学部生教育
宇宙物理学を学ぶためには、力学、電磁気学、統計力学、量子力学などの基礎的物理学を理解しておく必要があります。
理学部物理学科において、 学部3年生までにこれらの科目を着実に学んでいただきます。
宇宙物理学を学ぶ上で履修しておくと良い選択科目には以下のような ものがあります。
授業科目の内容
授業科目 |
担当者 |
授業内容 |
宇宙物理学A |
松元亮治 |
宇宙流体力学、放射過程、星の構造など |
宇宙物理学特論 |
田中雅臣 |
集中講義「超新星爆発 (大質量星の終末や中性子星の合体など)」 |
素粒子物理学 |
河合秀幸 |
4種の相互作用、高エネルギー実験、大統一理論 |
特殊相対論 |
石原安野 |
特殊相対論 |
相対論特論 |
近藤慶一 |
一般相対論 |
原子核物理学 |
中田 仁 |
核構造論入門 |
流体力学 |
横井喜充 |
流体力学の基礎、安定性、乱流、弾性波など |
非平衡系の統計物理学 |
好村滋行 |
非平衡系の統計物理学について基礎から分かりやすく講義する。 |
放射線物理学 |
福田、白井 |
放射線物理の概要、放射線検出器、原子核反応や崩壊過程、医療応用 |
計算物理学実習II |
全教員 |
数値計算法に関する課題演習 |
使用しているテキスト
4年生の必修科目として「卒業研究」があります。3年次の2月に卒業研究の 配属が決定され、
各研究室に所属してセミナーと研究指導が行われます。 卒研学生には大学院生、
研究員と合同の研究室内に机が与えられ、ほぼ 1人に1台の計算機が利用できます。
宇宙物理学研究室では、毎週、基礎的文献の輪読をしています。
最近、輪読したテキストには以下のようなものがあります。
書籍名 |
著者 |
備考 |
Magnetohydrodynamics of the Sun |
E. Priest |
2020年度~ |
Birth, Evolution and Death of Stars |
J. Lequeux |
2016年度~ |
An Invitation to Astrophysics |
T. Padmanabhan |
2009年度~ |
Our Place in the Universe |
N. K. Glendenning |
2008年度 |
Astrophysical Concepts |
M. Harwit |
2007年度 |
Black Holes, White Dwarfs and Neutron Stars |
S.L.Shapiro, S.A.Teukolsky |
2007年度 |
Introduction to Plasma Physics |
F.F. Chen |
2002年度~ |
相対論入門 下:一般相対論 |
シュッツ |
2001年度 |
1回のセミナーで15ページ程度進みます。当番に当たった人は担当部分のテキストの内容を要約して説明します。
また、演習問題をすべて解いてくる必要があります。
このセミナーに加えて、大学院生をチューターとするプログラミングの演習があります。
10月までには研究テーマを決めて研究を開始し,その 結果を2月に原子核、高エネルギー分野と合同で開催される卒研発表会で発表してもらいます。
発表会前には研究室に泊まりこんで準備に追われる 日々になります。これまでの卒業研究テーマの例は、下記を参照してください。
なお、卒業論文に相当するものとして、研究結果をまとめた Webページの作成が義務づけられています。
夏休みには研究所見学に行くことがあります。
過去の卒業研究テーマ一覧
卒業研究のテーマ
- 円筒座標系を用いたMHDシミュレーションの高精度化[佐々木 遼太: 2022年3月]
- ミリ波・サブミリ波で検証する原始惑星系円盤TW HyaとHD 163296のダスト分布モデル
〖★卒業論文〗[千葉 めぐみ: 2022年3月]
- 太陽黒点崩壊の数値シミュレーション[興津 拓真: 2022年3月]
- 太陽対流層での角運動量輸送の空間スケール分解による差動回転の理解[森 敬都: 2022年3月]
- 平均場モデルを用いた太陽差動回転の数値シミュレーション[齊藤 崇太: 2022年3月]
- ブラックホール磁気降着円盤の2次元輻射磁気流体シミュレーション[駒形 敦司: 2022年3月]
- 銀河ガスのはぎとり現象における磁場の影響[栗原 明稀: 2021年3月]
- 原始惑星系円盤へ散発的に降着するガスの磁気的回転加速機構:円盤との衝突により形成されたU-hook磁力線による加速[海野 真輝: 2021年3月]
- MHDシミュレーションを用いた太陽浮上磁束管の研究[埜口 賢: 2021年3月]
- 銀河中心領域の分子ガスループ形成過程における水平磁場の効果[高橋 克幸: 2021年3月]
- 衝撃波遷移領域における電子加速機構の上流速度依存性についての研究[永井 健也: 2021年3月]
- 原始星へ降着するガス塊の伸長と円盤との衝突[佐藤 耀: 2021年3月]
- MCMC fitting for X-ray Light Curve of AGN[栗原 明稀: 2020年3月]
- ブラックホール連星による重力波はどう見えるのか[杉山 拓夢: 2020年3月]
- 機械学習と数値計算を用いた太陽表面の物理量予測[正木 寛之: 2020年3月]
- 再帰型ニューラルネットワークを用いたプラズマ粒子運動の解析[阿部 日向: 2019年3月]
- Richtmyer-Meshkov不安定性でのBiermann Battery効果による乱流磁場生成[新井 瑞月: 2019年3月]
- 太陽黒点における磁場とその性質について[石倉 秋人: 2019年3月]
- 系外惑星探査のための畳み込みニューラルネットワークによる光度曲線解析[桑田 敦基: 2019年3月]
- 畳み込みニューラルネットワークによる太陽撮像データの解析[沢村 侑樹: 2019年3月]
- 活動銀河中心ジェット形成の磁気流体シミュレーション[高橋 満里: 2019年3月]
- 太陽表面磁場の磁束量と深さの関係[高畑 憲: 2019年3月]
- 表面磁束輸送モデルを用いた恒星黒点の時間発展の調査[荒川 涼太: 2018年3月]
- 強磁場中心天体と周辺プラズマの相互作用シミュレーション[河村 浩良: 2018年3月]
- 数値計算データを用いた局所日震学の妥当性の検証[反町 京子: 2018年3月]
- 磁場の向きによるフィラメント状分子雲の分裂不安定性の違い[都築 則彦: 2018年3月]
- シアリングボックスを用いた降着円盤の高精度3次元磁気流体シミュレーション[富吉 拓馬: 2018年3月]
- Cole-Karkkainen法を用いた数値チェレンコフ不安定性の抑制[細谷 周平: 2018年3月]
- 磁気リコネクション領域の自動判定アルゴリズム開発とその応用[堀江 真惟人: 2018年3月]
- 超音速かつ連続的に速度が変化する流れでの Kelvin-Helmholtz 不安定性[加藤 大: 2017年3月]
- 局所日震学を用いた太陽内部の診断[杉山 威吹: 2017年3月]
- 高粘性時の熱対流の振る舞いについて[新井 祥太: 2016年3月]
- 太陽プロミネンスの形成機構[海宝 孝祐: 2016年3月]
- 3次元連星シミュレーションから見る降着円盤の解析[宮澤 慶次郎: 2016年3月]
- 圧縮性流体中のケルビンヘルムホルツ不安定の解析[内藤 広毅: 2016年3月]
- 相対論的効果を考慮したBHからの光と降着円盤[清野 愛海: 2016年3月]
- 重力波の発生及びその検出に向けて[栗山 智宏: 2016年3月]
- HL Tau 原始惑星円盤の輝度分布から探る鉛直方向構造 [持田 一貴: 2015年3月]
- 相対論的プラズマにおけるPICシミュレーションに伴う数値チュレンコフ不安定性の特性について
[池谷 直樹: 2014年3月]
- 輻射輸送モーメント方程式の数値計算法の比較 [田巻 流: 2014年3月]
- 銀河ガスの剥ぎ取りによる水素輝線テイルの形成 [津波古 未来: 2014年3月]
- 熱伝導を考慮した明るいハードステート降着円盤のモデル [谷田部 紘希: 2014年3月]
- ヘニエイ法を用いた主系列星内部状態の時間発展計算[菅野 朋典: 2013年3月]
- 斜め入射モデルによる原始惑星系円盤からの輻射 [原田 哲弥: 2012年3月]
- 主系列星の内部構造と進化過程[庄司 圭佑: 2011年3月]
- アンテナ銀河の形成シミュレーション[中根 智寿: 2011年3月]
- 太陽風・宇宙ジェットとプラズマ塊の相互作用[大塚 淳輝: 2011年3月]
- 衝撃波面における音波の反射および透過シミュレーション[黒川 拓真: 2011年3月]
- 2次元放射流体力学コード[菅野 裕次: 2011年3月]
- 電磁波とプラズマの相互作用による粒子加速[長谷部 英賢: 2011年3月]
- コロナを伴った降着円盤のソフトステートからハードステートへの状態遷移[小野 貴史: 2011年3月]
- GPUによる流体シミュレーションの高速化[山本 瑶祐: 2010年3月]
- 磁場によるジェットの構造変化[朝比奈 雄太: 2010年3月]
- 円盤を持つ惑星系の3次元シミュレーション[大友 雄造: 2010年3月]
- 銀河渦状腕の3次元構造[菊池 大輔: 2010年3月]
- 太陽磁気ループの自動検出[上野 康平: 2010年3月]
- 太陽表面ジェットの磁気流体シミュレーション[杉本 裕樹: 2009年3月]
- 重力レンズによる増光と天体への応用[阪田 朋紀: 2009年3月]
- 白色矮星内部における核反応率[安穂 大輔: 2008年3月]
- 構造方程式による主系列星の内部状態シミュレーション[清水 瑛史: 2008年3月]
- 電磁場中の1次元プラズマシミュレーション[富井 正和: 2008年3月]
- CMB温度ゆらぎの計算[藤尾 和也: 2008年3月]
- カーブラックホールの降着円盤からの放射[水野 良祐: 2008年3月]
- 星の内部構造に対する結晶化の影響[吉川 徹: 2007年3月]
- 降着円盤における渦による不安定性[小川 崇之: 2007年3月]
- 宇宙ジェット形成シミュレーションの可視化[木村 佳史: 2007年3月]
- 宇宙論 宇宙の膨張則[坪井 優介: 2007年3月]
- 自己重力多体系の1次元シミュレーショ ン[丸山 典宏: 2007年3月]
- 惑星重力による原始惑星系円盤の進化[西條 祐太: 2007年3月]
- 宇宙大規模構造3次元可視化[相澤 雄太: 2006年3月]
- 熱対流の磁気流体数値実験[小池 一隆: 2006年3月]
- 磁気流体波による粒子加速の研究[中務 裕文: 2006年3月]
- LESを用いた高レイノルズ数流れの数値計算[川口 孟: 2006年3月]
- Evolution of Gaseous Isothermal Sphere with Shock and Given Accreation Rate in Similarity Solution[添田 彬仁: 2006年3月]
- 星風解を考慮したポリトロープ星の構造[岡田 崇志: 2005年3月]
- 一次元プラズマ中における電磁波による電子加速シミュレーション[永峰 宗典: 2005年3月]
- 2次元レイリーライラー不安定性の成長について[斉藤 大互: 2004年3月]
- モンテカルロ法による相対論的衝撃波加速[松田 貴志: 2004年3月]
- 輻射冷却効果を含めたブラックホール降着流の1次元定常解[小田 寛: 2004年3月]
- 3次元可視化プログラム[鈴木 雄樹: 2004年3月]
- 回転プラズマ系の2次元MHDシミュレーション[沼沢 修平: 2004年3月]
- Relativistic MHD code 開発[冨高 真: 2003年3月]
- しし座流星雨の3次元可視化[村岡 雅江: 2003年3月]
- 万有引力定数が変化する時の宇宙の一様等方モデル[高橋 博之: 2003年3月]
- 衝撃波による粒子加速[布村 崇裕: 2003年3月]
- 薄型降着円盤のロスビー波不安定性[倉田 耕輔: 2003年3月]
- GRS1915+105のX線観測[園部 芳雅: 2003年3月]
- 天体遷音速降着流の数値計算[前原 裕之: 2002年3月]
- 磁気遠心力風のモデルとその時間発展[松尾 圭: 2002年3月]
- 非一様プラズマ中のコンプトン散乱のモンテカルロシミュレーション[田中 聡史: 2002年3月]
- CIP法を用いたジェットの数値実験[奈尾 実: 2002年3月]
- 高エネルギー物理学研究室メンバーとの共同研究として発表[津田 倫明: 2002年3月]
- Chandraによる星形成領域観測結果の解析[錦織 弘充: 2001年3月]
- 回転ポリトロープの力学平衡について[金野 千裕: 2001年3月]
- ブラックホールへの遷音速降着流と恒星風の定常解[齋藤 寛士: 2001年3月]
- 磁気流体ジェット形成の数値実験と可視化[田中 賢太郎: 2000年3月]
- カーブラックホールの周りの光子軌道のシミュレーション[吉田 亘: 2001年3月]
- 高温プラズマによるコンプトン散乱のモンテカルロシミュレーション[亀山 大吾郎: 1999年3月]
- 一般相対論的光線追跡法によるブラックホール近傍の降着円盤像の作成[中村 亮: 1999年3月]
- 天体降着流の遷音速流定常解[村上 貴哉: 1999年3月]
- ロッシュポテンシャル中の粒子軌跡の数値計算[山村 大輔: 1999年3月]
- ブラックホール周辺の粒子軌跡、ブラックホール周辺の光線の軌跡[村内 達也: 1997年3月]
- Roe法による2次元MHDの計算[上野 周平: 1997年3月]
- 点源爆発とセドフの解[高橋浩一: 1997年3月]